不倫疑惑。

その日、私は大きな黒いボタンが二つついたミニスカートをはいておりました。
黒いボタンには機能性がなく、飾りつけ程度のものです。
ふと、トイレで鏡をみると、黒いボタンのひとつがいつのまにか取れているではありませんか。

私は、トイレの周りを探してみましたが、黒いボタンはどこにもありません。
自分の席も探してみましたが、どこにもありません。

「おかしい・・・。
今日は、トイレと自分の席以外に移動していないのに・・・」

そこで、私の席のお隣さんのＴさんと、そのＴさんと打ち合わせしていた
Ｉさんに、ボタンの行方を尋ねてみたところ、
※Ｔさんも、Ｉさんも二人とも妻帯者。

「・・・誰かがもっていた気がする。。あれ？Ｉさんもってなかった？」

とＴさんは証言。
その証言とともに、Ｉさんが自分のかばんを取り出し、がざがざっと探し物をし始めた。

（・・・いやいや、Ｉさんのかばんの中にはないだろぉ）
と、思いながらＩさんのかばんの中をのぞいていると、

かばんの中に、私の黒いボタンがはいってるではありませんかっ！！

「な、なんでＩさんのかばんに？？？」

この日、Ｉさんは発熱していたので、私がいつも愛用している黒い毛布を
化してあげておりました。どうやらその毛布を貸したときに、ボタンまで
一緒に渡していたようです。
そのボタンをみたＩさんは、なぜか自分のものだと思い込み（風邪で思考能力低下）
かばんの中にいれたそうだ。

というか、なぜ自分のボタンでもないのに、かばんにしまったのかが謎。
いくら熱で思考能力が低下していたとしても、見ず知らずのボタンを
かばんにいれるのは不自然。
しかも、そのボタンは直径５cm以上あるシロモノで、男性には、エンのないもの。
「Ｉさんは、ボタンフェチなのか？」と疑いたくなる瞬間でした。

ボタンがみつかりよかったのだが、かえるのボタンが、
Ｉ氏のかばんから出てきたという出来事は、どう考えても怪しい。

噂好きのＴさんは、ボタンが取れるシチュエーションを頭の中で
いろいろと考え、この出来事に尾びれ背びれをつけて、専務に楽しい
ネタとして報告しておりました。

いやはや、これから一ヶ月はこのネタでいびられるな…。　しくしく。

かえるひめ